「スペクトラム性」と「脳の構造」を正確にとらえ、すべての心理学に活用しよう
前書き
どうも館長でーす。現世の館へようこそ!
今回は、スペクトラム性と脳の構造について、徹底解説していきます。
人間の精神の特性を説明するとき、世に数多ある精神医学の本では
- スペクトラム性(連続性)がある
- 明確な区切りはない
- 幅のあるもの
といった表現が多用されます。
しかし、そういった特性があるという説明をされても、心理学の専門家ではない私たちからすれば、
「だから、それは、どういうことなんですか?」
となってしまいます。
極論ですが、スペクトラム性と脳の特性を理解すれば、心理学のすべてを理解したといってもいいです。
逆に言うと、スペクトラム性とは何かということが理解できていないから、心理学をうまく活用できないんです。
今回は、そんなわかりにくいが故に軽視されがちな、スペクトラム性をしっかりと理解できる形で説明します。
今回は徹底解説回ですので、前書きと見出しで読み終えず、全文を読むことを推奨します。
みなさんはこれを機に、エセ心理学から完全脱却しましょう。
★-- 目次 --★
基礎編
スペクトラム性(連続性)=遮られず往来可能な性質
まず、スペクトラム性(連続性)が正しく理解されない一番の原因は、スペクトラム性という英単語をわかりやすい日本語に置き換えずに乱用しているからです。
よくて連続性という単語に置き換えたくらいで、広辞苑で調べた時のような詳しい説明が全くされずに話が進むから、多くの人は、スペクトラム性という単語だけ覚えてしまい、意味も用途もわからず使ってしまうのです。
あんまりいうとアレですが、心理学の専門家でも、スペクトラム性をまともに説明できる人はいないのでは?と思ってしまうくらい、スペクトラム性という単語だけが独り歩きしています。
では、そんなかわいそうな(?)スペクトラム性にちゃんとした日本語の意味をつけるなら、あえて言えば、
- 遮られず往来ができる性質
と表現できると思います。
先ほどの連続性よりはマシになったでしょうか?
遮られず往来可能:その性質の上を自由に行ったり来たりできますよということ
身長と体重の違いで考える
私たち人間には、生きていても死んでいても、肉体がある限り身長と体重がセットになっているはずです。(ですよね?間違いないですよね?)
その中でも、身長はスペクトラム性がありません。
反対に、体重はスぺクトラム性があります。
どういうことか順に説明していきます。
身長にスペクトラム性がない理由
まず、身長は、生まれてから第2次成長期の終わりまで伸び続け、大体20~25歳で、その成長が止まるといわれています。
この際、病的な理由を除いて、身長はある日を境に突然縮みだすことはありません。
ベンジャミンバトンみたいに、老人から始まって、赤子に戻って老衰するような数奇な人生を歩まない限り、身長が人生を通して縮む一方になることはまずありません。
もし仮にベンジャミンバトン並みに数奇な人生を生きている人がいても、身長が途中で伸びる方向には変わらないでしょう。(骨粗しょう症が治る時には伸びるのだろうか?)
つまり、身長にスペクトラム性がない=身長は自分の思考・行動によって、伸び縮みさせられないことを表します。
体重にスペクトラム性がある理由
では、体重はどうでしょう、
- デブ活
- 痩せ活
に見られる体重の変化の伴う活動は、
- おデブになってから痩せることもできる
- 痩せすぎたから太ろうとすることもできる
こういった特徴があります。
痩せ方向にはすぐ肉体の限界が来ますが基本的に痩せ続けることは可能です。
太り方向にも世界には体重600㎏超と、太りすぎでギネスに載った人がいるくらい際限がありません。
つまり体重にスペクトラム性がある=自分の思考・行動で、太ることも痩せることもでき、基本的に痩せる方向にも太る方向にも、進むうえで肉体的な限界を迎えない限り際限がないことを意味しています。
つまり、スペクトラム性があるということは、その性質の上を自由に行ったり来たりできますよということなのです。
ちなみに、体重のなかでもスペクトラム性がないものがあるのですが、皆さんなんだかわかりますか?
答えは、生まれる前と死んだ後の体重です。
私たちは、受精卵の時点で体重(質量)を持っています。
この時点から、出産を迎え、へその緒を切るその瞬間までが、体重を自分でコントロールできない期間になります。
ここまでの期間の体重にはスペクトラム性がありません。
以降は、本能的に母乳を飲んだり、食事やハイハイなどで体重の増減がありますが、これは精神医学の世界では独立した個の活動として扱われ、体重の増減は、赤ん坊がおのずから行動した結果によるものと解釈されます。
つまり、スペクトラム性があります。
老後まで時は飛び、死んで埋葬され分解されるか、火葬されて骨だけになるのか分かりませんが、肉体が朽ちる過程では、私たちの体重は単調減少します。
死んだ後なので思考も行動もありませんが、自由に体重は動かせないのでスペクトラム性はありません。
この話をしておかないと、あらぬヤジが飛ぶことがあるので、前もって例外処理しておきました。(爆)
ほかの例:スペクトラム性のあるとされるもの
ここでは詳しい解説はせず、一般的にスぺクラム性があるとされるものを列挙していきます。
漏れなくダブりなく列挙するのは難しいので、抜けていたり違っていたら、コメントで教えてもらえればと思います。
スペクトラム性があるとされているもの
- 食事量(食べる量は自分で決められるため)
- 筋肉量(運動習慣の有無で変わるため)
- 集中力
- コミュ力
- 発達障害(ADHA・ASD)
- 知的障害
- 性同一性障害(LGBTQ+)
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- 強迫性障害
- うつ病
- 不安症
- メンヘラ度
- 回避性パーソナリティ障害
- 反社会性人格障害(サイコパス・ソシオパス)
- 自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)
ネタが尽きました...(笑)
たぶんほかにもあると思うので、コメントで教えてください(笑)
(10/2追記 ハイリーセンシティブパーソン(HSP)やHSSなども、Twitterをみるとスペクトラム性に該当するような印象です。)
補足しておくと、列挙した一部に障害と付くのは、日常生活に困難をきたすと考えられる精神状況までいかないと、スペクトラム性の話にならないからなのですが、ADHDやASDも基本的に全ての人にスペクトラム性があると考えられています。
一応、ほかにも、本館では独自考察として、
についても、スペクトラム性があるとしています。
行ったり来たりできる性質(連続性)があると何がいいのか
私たちの精神にスペクトラム性(連続性)があることで、どういったメリットがあると思いますか?
その答えの一つになる言葉に
- 「人は変われる」
というものがあります。
私たちは、例えば陽気な性格から内気な性格になったり、その逆になったりと、人生のいたるところでパーソナリティに変化が起こることがあります。
うちの母親がいい例で、高校まではいわゆる陰キャで、勉強と読書に明け暮れる毎日でしたが、高卒で社会人になり、自転車サークルに入ってからは人が変わったように陽キャになったそうです。
高校の同窓会では、面白い人になったねと言われるほど、印象が180度変化したそうです。
これは、人の心理にはスペクトラム性があるという言葉の通り
ということに結びついています。
つまり、能力開発の業界でよく使われるこの
- 「人は変われる」
という魅力的な言葉は、何の意訳もなく、
- 「自分の思考・行動でいかようにも自分は変われるのだ」
ということを表しています。
ただし、うちの母親の話も含め、のちの記述を見れば、からくりがすぐにわかると思うので、ここまで読んでもまだあなたの結論は胸にしまっておいてほしいです。
みんなが知らないホントの話
スペクトラム性は何を”原点”にして始まるのか?
能力開発業界や社会的な面では
といった、スペクトラム性にまつわる様々な
- 「どうせならこっちのほうがいいよね論」
が展開されています。
その話は追い追いまた出てきますが、ここでは、そもそも論として、
について書いていきます。
ちなみに、スペクトラム性はこのようにグラデーションを描き、ある一点がスタート位置となって、人の遺伝的形質が現れるというものです。
(一般的なブログの3,000字がこのあたりなので、だんだんと読むのが疲れてくる頃かと思いますが、もうちょっと頑張ってあと2,000字読んでほしいです(笑)!)
あなたは
「性格は遺伝子で決まっている」
という話を聞いたことがありますか?
多くの心理学の著書でこの意見は真っ二つに分かれます。
つまり
- 性格は先天的にある程度決まっている説
- 性格は生まれた環境で後天的に身についてくる説
この二つの説で世の中の心理学本は真っ二つに意見が割れているのです。
しかし、この論争にはすでに決着がついています。
- 「性格は先天的にある程度決まっている説」が正解です。
なんだか救いのないような結論が真実のように見えますね。
ですが、実は、この論争に終止符が打たれたからこそ、人の性格とスペクトラム性(人は変われる)にまつわる、極めて重大な真実が浮き彫りになったのです。
性格を決める一番の要素:「脳内血管のルート・情報伝達物質・閾値」
脳内を流れる毛細血管が作り出す「性格のスタート位置」
私たちは受精卵になった時点で、遺伝子情報に基づいてその肉体が構成されていきますね。
それに伴い、遺伝的に脳内の構造や脳内の血管のルートもある程度定まっていることが、近年の研究で判明しています。
ウェルニッケ野とか大脳新皮質とか視床下部とか海馬とか、脳の領域の単語と役割くらいは皆さんご存じの通りだと思います。
ですが私たちが意外に知らないのは、
「脳のどの領域に血流が行き届きやすいかは個人差がある」
という点です。
この個人差というのが、ある程度遺伝子で決まってくるのです。
脳の特定の領域に血流が行きやすいということは、その部分が発達・活発化しやすいことを意味しています。
脳のスキャン画像で、ものを見たりして反応すると、だんだんと脳内が赤くなっている映像を見たことがありますよね?
これは、脳内の血流量を赤色で示したものです。
この血流がどういったルートで脳内を流れているのかが遺伝するのです。
なので、幼児のうちから運動ができるとか、生まれつき物覚えが良いという子供がいるのは、こういう点から来ていると考えられているのです。
生まれつきの話なので、それこそ後天的な要素の薄い話ですから、先天的に性格がある程度決まっている説となじむものがありますよね。
あなたの情報伝達物質はドーパミン派?アセチルコリン派?
脳内の情報伝達物質には
みたいに、「ミン!」とか「リン!」とかみんみー教みたいにいうものが多いですが、俗にいう
- 外向的
- 内向的
を決める情報伝達物質は
この二つです。まとめると
- 外向型はドーパミン受容体の多い脳みそをしており、常にはつらつとしていないと気がすみません。
- 内向型はアセチルコリン受容体の多い脳みそをしているので、ゆっくりじっくり自分のペースで物事を進めることを好みます。
という風になります。
閾値の高い低いが意味する「おなかいっぱいです」サイン
最後に、閾値(「いきち」または「しきいち」という)の話をします。
閾値は生物学的には
- 反応までにかかる情報の強さ
という尺度を表すものです。
この尺度は、ご飯と胃袋の関係によく似ています。
- 胃袋が大きければ、胃袋がいっぱいになるにはたくさんのご飯が必要です。
- 子供時代のように胃袋が小さければ、少量のご飯で胃袋がいっぱいになります。
情報伝達物質にも同じことが言えて、
- 外向型人間のドーパミン受容体は胃袋が大きいので、たくさんのドーパミンがないと閾値を満足しない。(すぐにはおなか一杯にならない)
- 内向型人間のアセチルコリン受容体は胃袋が小さいので、少量のアセチルコリンで閾値を満足する。(すぐおなか一杯になる)
こういった違いあります。
で、これが意味することというのが、
- 外向的だと、ちょっとやそっとの刺激では動じないし、物怖じもしない。むしろ刺激が不足してもどかしいくらいの感覚がある。
- 内向的だと、少しの情報で反応できるので、わずかな変化に気づくことができる。ただし、ちょっとの驚き、恐怖、刺激で感情が不安定になる。
という違いなのです。
MRIを使ってようやくわかったこと
×外向型は脳が良く働いている→〇外向型は、運動・認知領域特化型
世に聞く俗に陽キャとかウエーイ系、チャラい系みたいな呼ばれ方をしている人は、外向型人間と呼ばれています。
これまでの情報を整理すると、
- 生まれついてドーパミン受容体の多い脳みそを持ち、運動・認知機能にかかわる領域に多くの血流が行きやすい遺伝子構造をしている。
- 受容体の閾値が高く刺激に対して一定の耐性があるため、多くのこと、刺激の強いことをやることに特に抵抗がない。
- 故に、体育会系やサークルの花形として多くのことに身を投じ、いつの間にかリーダー役をやっていることが多い。でも別にそれが苦になることも特にない。
- 即レス大好き。仲間内の情報共有は秒でおけまる。
ただし、脳の構造上どうしても不向きなことがあり、それは
- 人の考えていることをちょっとの言葉や表情の変化から読み解くこと。(失言をさらっと受け流せるのも、逆に失言してしまうのもこのため)
- じっとしたまま情報を頭に入れるようなこと、特に勉強・読書。
- 無表情・無機質に感じる相手との会話。(すごくもやもやする。)
- 待つことも苦手なので、相手からのLINEの返事が3分以上もかかっていると、頭の中でカップ麺が沸騰するくらい待ちくたびれてイライラします。そしてキレます。
といった点に表れています。
外向的な人同士で活動する分には、即レスで高刺激、超スピードな日常を送ることができるので、満足な生活をできるのですが、内向的寄りな、あまりしゃべらない系の人との関わりは、ゆったりじっくりすぎて大変窮屈に感じてしまいます。
まるで石像と活動しているみたいな感覚さえあり、内向的な人に対しては、何もしゃべってくれない寂しさと、隠し立てされているような腹立たしさを覚えます。
×内向型は脳が不活性→〇内向型は思考・分析領域特化型
内向的な人たちは、社会的な認知がそうであるため残念ながら、陰キャとかオタクとか呼ばれてしまうことが多いです。
しかしここまでの情報を整理すると、内向的な人の特性はかなりすごいことに
- 生まれついてアセチルコリン受容体の多い脳を持ち、観察・思考・分析に関する領域に血流が行き届きやすい遺伝的特質を持っている。
- 閾値の小さいアセチルコリン受容体の特性から、ほんの少しの情報に反応することができるので、気になるあの子のネイルの柄がほんのちょっと変わっただけで気づくことができます。
- リーダー役や、多くの人眼にさらされる環境は得意ではありませんが、花形が輝くために手伝う場合は、そのほんのちょっとした変化に気づく力により、観客に喜ばれる演出を提案することができます。
- 普段しゃべらない人も多いので、無口な印象を持たれやすい反面、趣味の話はめっちゃ饒舌に話すので、息の合う仲間内ではコミュニティが活性化します。
といった特徴を持っているのです。
ただし、脳の構造上どうしても起こることがあり、それは
- 高刺激なことに受容体の耐性が少ないので、怒られたり、強く尋問されることが苦痛です。
- 怖い・痛い・苦痛を連想させる空間は、内向的な人には十分すぎる刺激のため、外向的な人が平気そうに乗るジェットコースターやお化け屋敷は進んで乗りたいと思いません。
- 情報処理に集中する必要がある脳みそなので、一点集中しないといけません。次から次へと処理する話題を変えると頭がパンクします。
外向的な彼らからすれば、怒るという行為に別に大した意味合いなどなく、
「自分が思う、相手に伝わる刺激の強さ」
が大体このくらいだろうとニュアンス的に思って怒っているだけです。
しかし内向的な人からすれば、過剰に怒られているような気分さえ感じるので、場合によってはパワーハラスメントを受けているような気分になります。
おおよそここまでの説明によって、生まれついての性格が決まってくることの解説はできたかと思います。
最後のほうに参考図書を載せるので、さらに知識を深めたい方は、ぜひご活用ください。
脳科学的にスペクトラム性の適用範囲を考える
私たちの多くが勘違いしていることとして、
- 「脳には可塑性がある」
ということがあります。
可塑性とは、変わりやすさということですから、脳は変わりやすくできていると言い換えてもよいです。
能力開発の世界では、脳の変わりやすさを前提に、
- 「脳機能を良い方向にもっていけば、よい人生を手に入れられる」
という謳い文句を掲げて様々な能力開発グッズを世に出しています。
しかし、生まれついて得ている性格特性には、どんなものでも長短があることをこれまで記述してきました。
人体構造に密接にかかわる部分、特に遺伝的特質が人格形成に関与していることも示しました。
つまり、脳内の血管の張り巡らされ方が若干変わることによって、発達しやすい脳領域も変わり、性格も変わります。
が、これまで述べてきた脳機能の性質上、人は変われますが、たやすく変わることはほとんどありません。
「人は変わりこそするが、変われるまで時間を要するし、思ったほど変わることはありません。」
今日の結論はこれです。(笑)
人の変化の可塑性にも限界がある。
しかし、お互いに歩み寄ることで齟齬を減らすことが出来るということです。
ですが、歩み寄るためには自分を変えることと同時に相手にも理解を得なければならない。
当然一朝一夕では出来ません。
私が散々「3日でできるを信じるな」と言ってきたのはこのためです。
ついでに言うと、自己啓発を散々否定してきたのもこのためです。
これを導くために6,690字かかりました。
お読みくださって本当にお疲れ様です。
自己啓発で「あなたは変われる」と散々言われても無視していい理由がここにあります。
あなたの脳の最も血の流れる領域があなたの最大の長所を引き出すからです。
自己啓発みたいに、
「性格をもっとポジティブにしないと、人生良くならないよ!」
という話をされても、
「科学的に間違った、筋違いな話」
なので、まるで相手にする必要がありません。
反面、能力開発によって、新しい技術を覚えることなら、脳機能の先天的特質にかかわらず、記憶力の観点から誰でも可能です。
運動によって毛細血管が発達し、脳全体へのエネルギー供給がより強くなれば、人の基礎能力は多少は向上するでしょう
結論:自己啓発で性格は変わらないし科学的正当性もない。・・・だが
自己啓発をずっと「TAS」「TAS」言ってきた理由がお分かりいただけたと思います。
これをもとに、自己啓発と呼ばれるものから人が遠ざかることが多くなれば、ポジティブ洗脳ウイルスを根絶できる日がいつかくると思うのですが、一つ重大な問題があります。
それは、自己啓発業界が占める日本のGDPが意外に多いことです。
国内のGDPの1割近くは、自己啓発・能力開発・恋愛ハウツーなどが占める計算になります。
なんでそんなシェアが広いかというと、やはり、
- 「人は変われる」
という強烈なプロパガンダが存在するからでしょう。
それと同時に、
- 無意味なランキング(格付け)
- 比較優位のひけらかし
などがあることも、
「自分をもっといい方向に変えなければならない」
と動機づける原因になっているのでしょう。
何度も言いますが、人間の脳のスペクトラム性は、ありこそすれ、変化に多大な時間を要するし、原点となる遺伝的特質からほとんど移動しません。
だから重要なのは、先天的特質をもとに何が一番できそうなのか、いち早く見極めて自分の脳を活用することです。
自分の特徴を知るときに大変役に立つ心理テク
スペクトラム性と相性のいい「16タイプ診断」
16タイプ診断はもともと、
という、ユングの精神分析手法を元に作られた専門的な心理分析指標の論文をベースに開発された内省的性格分析手法です。
以下の過去記事にて解説していますが、スペクトラム性の観点と非常に相性のいい診断です。
よくそこらへんのあやしいサイトで見かける手法なので、
「なんか怪しい診断だなー」
なんで思った方も多いかと思いますが、企業の人材活用のために一人一人の性格特性を知る必要がある場合には、この16タイプ診断が使われるようです。
私たちの性格特性は、
- 内向的ー外向的
- 感覚的ー論理的
の2×2のマトリクスで4通りに分類されています。
4通りある性格特性をそれぞれをさらに4分割した16種類の性格特性を用意すると、ほぼすべての人がこの16種のどこかに落ち着くそうです。
これは生まれついた脳の性格特性を平明図上にマッピングする手法の中で、極めて直感的でわかりやすいものです。
あなたとあなたの知り合いがそれぞれどの位置に属するのかマッピングすると、性格特性の間にある距離が分かります。
この距離が近いほど共感できる部分が多く、距離が長いと、お互いに不和を抱きやすいとされています。
しかし、スペクトラム性の観点から、お互いに自分の今いる点から相手の方向に近づくことが多少可能です。
いきなり真反対の性格特性に飛ぶことはまずありえませんが、お互いに距離を縮めあうことで、齟齬をなくすという点では、16タイプ診断における性格分析は、大変有意義です。
ぜひお試しあれ!
余談ですが、館長がこの16タイプ診断を初めて知ったのは大学生の時で、その当時はバイト先で4タイプ診断というかなり簡素な診断を受けさせられ、内向型・論理タイプ(俗にアナライザータイプという)と診断されました。
館長と同じこの内向型・論理タイプに属する人は、世界人口で12.5%ほどしかいないレアキャラだそうで、このタイプは自己啓発の洗脳から自力で逃れることが可能なくらい自分の中に確固たる論理が存在します。
また、人の口から発せられる言葉・表情をほぼすべて記憶し、次に発せられる情報と適宜照らし合わせ、整合性を測っているので、このタイプの前では嘘はほぼすべてバレます。
つまり館長には嘘をついてもバレるということなので、皆様お気を付けくださいまし。(爆)
終わりに
久々にPCで記事を書いたので、ハッスルして大変長ったらしくなりました。
皆様ついてこれたでしょうか?
今回のテーマは、すべての心理テクに直結する、
- 「スペクトラム性」と「脳の構造」
という話でした。
人は変われるという甘い口車の裏には、変われるまでにかかる時間を度外視した非常に陰湿な罠が隠されています。
自己啓発はその部分を何としても隠し通しておかないと、能力開発業界として売り物にならないので、必死になって、スペクトラム性や脳の本当の構造だけは絶対に隠そうとします。
- 脳機能の真実を知る。
ただそれだけのことで、甘い口車に乗せられて借金をすることも、無理にポジティブになろうとして燃え尽きてしまうことも防げるので、やはり、心理学の根底にあるこの
- 「スペクトラム性」
そして、意味あって遺伝している
- 「あなたの脳の先天的特質」
この概念だけは、絶対に後世に引き継いでいきたいところです。
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
(・ω・)ノシ
本日の参考図書
『内向型を強みにする』