前書き
今回は売り手メインの話をします。
経営のそもそも論
「¥売上の法則」
¥=a:価格 × X:見込み客 × Y:リピーター数
サブスクリプションとは
サブスクリプション(サブスク)とは、月額の利用料金を払えば月内でサービスを使い放題にできるシステムのことを指します。
このシステムは、大手動画サイトだけでなく、Amazonやpixivなどの企業も取り入れており、主にサービスの利便性を向上させるための追加料金として機能しています。
それを考えると、売り手はわざと使いにくいシステムを作る手間がかかっていることになるので、その分の人件費は、もっとサービスの利用効率化のためのシステム開発費に当てればいいのにと思ってしまいますね(笑)
メリット
月額課金制なので、ほっといても毎月金が入る
1番わかりやすい例が私たちの普段使うスマートフォンですね。
月々の利用料金が発生し、支払いを続けることで、私たちは電話やモバイルデータ通信ができます。
それと同じように、サービスを提供する対価として、月々の利用料金を発生させることで、売り手は継続的な収益を得ることができます。
X:見込み客=Y:リピーター数で計算することが可能(a:価格 × X:見込み客の自乗)
つまり
¥=aX²
という中学数学でお馴染みの二次関数で、売上のモデル式を作ることが可能になります。
中学生時代、勉強してなんの役に立つんだよと思っていたみなさん。
ここで役に立つんです(๑•̀д•́๑)キリッ
式の解説ですが、見込み客が増えれば増えるほど、雪だるま式に売上を伸ばせることを表しています。
なので、ファンを増やす努力さえ欠かさなければ、あっという間に月々の収益が膨れ上がるのです。
収益の予想が経ちやすく、経費の使い所を間違えにくい
事業者としては、予想収益をどのように使っていくかが会社の存続に関わってくるので、切っても切り離せない問題です。
予想収益が立たないと、万一業績悪化した時に、内部留保を切り崩していくことになり、最悪倒産となることも有り得ます。
サブスクリプションで月ごとの収益化が図れれば、入ってくるお金に対して、使うお金を調整できるので、設備投資リスクを下げることができます。
デメリット
価格設定が難しい
先程の式からもわかる通り、
- 設定価格a
が変われば、月の売上も大きく変動します。
二次関数のグラフを見ればすぐにそのことは理解できると思います。
なので、この価格設定には細心の注意を払わなければなりません。
また、級数計算の考え方を用いると、
- a:設定価格(月額課金額)
- X:サブスク利用者数
- n:サブスク開始からの経過月数
とする場合
- ¥=a(X₁ + X₂ + X₃ + ・・・ + Xn)
となり、設定価格aが、サブスク開始からの月々の売上全てに関わっていることが分かります。
最初の価格設定を間違えると、後々まで収益に影響するので、むやみに価格改定できない事業では、細心の注意を払う必要があります。
個人事業だと、高額サブスクになりがち(見込み客が少なくても、設定価格でカバーできるが・・・)
個人でサブスクリプションサービスを売る場合ですが、どうしても無名事業者が物を売ることになるため、序盤は顧客の絶対数が少なく、収益額が上がりません。
高額サブスクで、ニッチな層に対して訴求力があるものであれば売り物として成立するのですが、高額サービスの対価を厳しく求められたり、大抵は先行事業者がいたり、ニッチな層に対して訴求が上手くいかないため、注意してサービス提供する必要があります。
サブスク売りがとる2つの経営戦略
数多のファンから月額少しづつ頂くファンビジネス戦略
メンタリストDaiGoの現在の経営戦略
ニコニコ動画で月額会員向けに、本格的な心理学解説動画を投稿しているDaiGo氏。
その月額料金は税抜き500円と破格なものです。
(追記:2020年10月現在はニコニコ動画での配信から独立し、Dラボとして配信を行っています。月額課金額も改定され、付加オプションの種類により変わってくる仕様となっています。)
彼はYouTubeでもニッチな雑学を1000本以上あげていますが(面倒くさかったが数えました(笑))、その比にならないほどの情報量をニコニコ会員向けに提供しています。
月額500円ですが、現在何万人もの会員を保有しており、月々の会員数は現在も右肩上がりとのこと。
ニコニコ動画だけで、既にサラリーマンの何十倍もの収益を得ているわけですが、その秘訣は、会員登録への敷居の低さにあると言って良いでしょう。
もちろん、DaiGo氏のメンタリズムに誘引されて会員になる人が圧倒的でしょうけども(笑)
ごっそり頂く代わりに徹底コンサルするニッチ層向けビジネス
富裕層向け家事代行サービスなど、ごく1部のニッチな層に対して、強くメリットとして働くサブスクリプションサービスもあります。
富裕層は、余程家事好きでなければ、家事代行によって生まれた時間を投資やビジネスにあてたいと考えているため、それをやってくれるとなればそこから契約を取ることができます。
補足
「高い設定価格×数多の見込み客」は狙えないのか?
答え:狙えます(が、詐欺師か教祖になる覚悟が必要です)
よく、ローリスク・ハイリターンなんて言葉を聞きますが、そんな都合のいい事業はなく、常にリスクとリターンは振り子の関係にあり、どちらかが多すぎるとか少なすぎるということは決してありません。
しかし、高額サブスクを数多の人間に払わせることで、高収益を得ることができている人がいるのもまた事実です。
彼らは、後述の消費者心理を巧みに封じ、消費者から搾り上げるノウハウがあり、それを巧みに使い分けていくことでビジネスを成り立たせています。
消費者心理:買うからには月額料金の倍は元を取りたい
私たちはたとえ100円均一ショップで買い物をするときでさえ、手に取った商品にどのくらいの金銭的価値を見いだせるか考えますよね。
車を買う時も、家を買う時も、私たちは、買い手の心理として、安く買い、長く使いたいという心理が働きます。
なので、高額商品と消費者心理はもともと馴染まない関係にあるのです。
(!)消費者心理を打ち消し、事業者に金を寄付させるのが洗脳ビジネス
ここで気をつけたいのは、世の中には
など法律上の問題があるものから、グレーな売り方まであり、私たちは様々な洗脳ビジネスと隣合わせな生活を送っているということです。
その実態は千差万別なので一概にこれに気をつけろとは言えませんが、唯一共通しているのが、言葉巧みに消費者を誘導し、高額サブスクへの課金を契約させようとする点です。
この時出てくる優秀な営業マンは、かなりの確率でサイコパスですから、私たちは目をつけられないよう気をつけなければなりません。
まとめ
設定価格と見込み客は反比例する
サブスクは経営戦略が二極化する
高価格で数多の見込み客を取るには洗脳トークが必要